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小野川温泉の泉質の特徴

小野川温泉の泉質の特徴 :画像

 小野川温泉は現在、集中管理により利用施設への温泉給湯が行われています。その源となっている源泉は4号泉で、深度60mまで掘削したものです。その泉温は83℃と非常に高く、湧出量も大変多くて1200L/minにも達します。泉質は含硫化水素ナトリウム・カルシウム-塩化物泉です。pHはおよそ7.7で中性、蒸発残留物はおよそ6.1g/kgです。

 この温泉水の特徴は硫化水素を含んでいることで、その含有量はおよそ2.4mg/kgです。温泉水の主要成分は、陽イオンではナトリウムイオン、陰イオンは塩素イオンで、カルシウムイオンが副成分として含まれます。

この温泉水に入浴しますと、ナトリウムと塩素イオンとからなる塩化ナトリウム、つまりは食塩分が肌に付着し、それが薄い被膜となって肌をおおうので、熱の放散が妨げられ、大変温まります。

 硫化水素は、腐った卵のような臭いがするガス成分で、空気にふれて酸化されることにより、不溶性の硫黄が生成して、温泉水は黄白色ないし白色に濁ります。小野川温泉の温泉水の液性は中性?微弱アルカリ性なので、硫化水素は水硫イオンと遊離硫化水素とに分かれて溶存しています。これらのイオウ成分は、皮膚や粘膜から比較的容易に吸収され、還元力が強く、呼吸酵素の働きを抑制します。高濃度では呼吸中枢が麻痺する恐れがありますが、浴槽の換気が充分であれば問題ありません。浴用でも飲用でも、強力な変調作用が現れ、血液中のグルタチオンやビタミンCの濃度が高まり、解毒機能が亢進します。軟骨や腱、皮膚等には硫黄分が含まれており、慢性関節疾患や慢性皮膚病等では硫黄の代謝に異常が認められていますが、これが硫黄泉の入浴により改善される効果が期待できます。その他、尿酸排泄を高め、抗アレルギー作用などが認められています。更に皮膚の角質を軟化し、慢性皮膚病にも有効とされてます。

 以上のことから、小野川温泉への入浴は次のような効果が期待できます。

◎温泉の一般的な適応症(浴用)
 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進。

◎ 硫黄泉および塩化物泉として付加される適応症(浴用)
 慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病、やけど、虚弱児童。

「付記」
 なお、集中管理をおこなう前(4号泉を使用する前)の小野川温泉は、温泉の温度が4号泉ほど高くなく、ラドンが含まれ、泉質は放射能泉に分類されておりました。ラドンはガス体で、高温では空気中に揮散してしまう特徴がありますが、現在の温泉給湯の主力源泉となっている4号泉は非常に高温のため、ラドンは揮散して放射能泉の規定量には達していないと思われます。

(平成13年10月12日)

〒171-0033
東京都豊島区高田3-42-10
財団法人中央温泉研究所
所長 甘露寺 泰雄

2005.11.27:[会員さんからのコンテンツ]

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